2009-01-01から1年間の記事一覧

  第7章 THE FAMILY RESTAURANT ― in CHENNAI 3 ―  

蒸し暑い夜 夕食を採るため宿の近くの大通りを散策していたときだった。 妙に明るい電飾を誇る インドに似つかわしくない小奇麗な店が眼に留まる。 店の名前は ザ・ファミリーレストラン。 ファミレス?! インドにファミレス?!! ここでしょ!!ここで飯…

  牛丼チェーンを語る男

インドで牛を見過ぎたせいか 日本に戻ってきてから やたらと牛丼を食っている。 思えば上京するまでほとんど牛丼というものに縁が無かった。 人口8000人の地元には お好み焼き屋は10件近くあったが 吉野家なんてこじゃれたものは1件も無く 牛丼を食お…

  第6章 そんなチェンナイの午後 ― in CHENNAI 2 ―  

食堂でミールスを腹いっぱい平らげたあとは 本日のミッション。 我々のような移動型インド個人旅行で 日々重要なのは 移・食・住。 美味い飯は食った。 宿もとりあえず安いところを確保済み。 となると 残るは『移』。 次の町への移動手段を確保しなければな…

  第5章 ミールス・ミールス・ミールス

車窓からの景色というのは 実に美しく赴き深く 時に物悲しい。 インドに至っては正にそうだ。 それはバスからの景色とて例外ではない。 大都市を1歩遠ざかれば すぐに道路脇にサトウキビ畑が広がり 椰子の木が風に踊り 時折、海面に反射した光が眼を焦がす…

  第4章 Like a Rolling Stone

海外において 特にインドの田舎のような衛生環境が万全ではない地域において 生水、またはその生水から作った氷は いささか危険である。 コレラ、赤痢こそ最近は聞かなくなったが それでも旅行者の大半は 生水、もしくは氷で当たる。 ジャワ島で喰らったアイ…

  インド『移・食・住』 ―その1―

今回のインド旅行でも 飯は最大の楽しみのひとつ。 世界遺産や交渉や美しい景色、海、町並みも旅の楽しみだが やはり旅の醍醐味は 移・食・住であると思う。 まずは『食]。 カニャークマリのナンダーナーという食堂で食べたミールスや ハイデラバードのシャ…

  チキン・ビリヤーニーを作る男

買ってしまった!! インド米!バスマティ・ライス!! この独特の香りがたまらんのよ。 世界的には結構高級米らしい。 早速チキン・ビリヤーニーを作ってみることにする。 今回のインド旅行で いわゆるカレー類を差し置いて 最も食った料理だ。 ビリヤーニ…

  ビオ神信仰

ヒンドゥー教は多神教である。 インドの地方地方で土着の神々を見つけては 「あーーーそれ、ヴィシュヌの化身ね!!」 「あーーーそれ、パールヴァティの別の姿ね!!」 というふうに 吸収、吸収の繰り返しで 仏教の開祖、ブッダですら ヒンドゥー3大神ヴィ…

インド旅行記 ― 第三部 ―  第3章 雨のタミル・ナードゥ

チェンナイは 雨だった。 雨のインドは初めてだ。 ここチェンナイがあるタミル・ナードゥ州は 東北モンスーンの影響を受けて 現在雨季である。 インドの雨季といえば 路上が水で浸かり 下水が逆流し コレラ、マラリヤ大流行と聞いていたが 想像していたほど…

  帰国

ついに日本に帰国!! ジュンパ・ラヒリの短編で 『3度目で最後の大陸』っていうのがあって 3回目のインドの時 あぁこれで最後だな〜 と思ってたけど 行ってしまったね!!4回目!! 4度目でやっとこさ ちらりと見えてきたインド!! ちょっと振り返って…

インドから・・・ その4

いよいよ今週帰国。 残すはこのヴァラナシあと1泊と デリーのみ。 ヴァラナシではモヌーがゲストハウスを始めていた。 どんどん飛躍してくぞこいつ!! ガンガー。 やっぱりここはいい。 ヴァラナシ以外は南や中央インドが全然良いが ここは別格ですな。 水…

  インドからの・・・ その3

ついに残り1週間。 いよいよ旅も佳境に差し掛かってきた。 ハイデラバードからは ブバネーシュワル⇒プリー⇒コナーラク⇒プリー⇒ブバネーシュワルときて 現在、大都会カルカッタまで来ている。 サダルストリートは想像していたよりも 綺麗で涼しくて 便利で楽…

  インドからの・・・  その2

総移動距離は3000キロに及び ついに東インドの漁村プリーに到着。 えぇ今日も下痢ですとも。 予定からコーチン、ヴィジャヤワーダの2都市を削って 未だ日程キツキツです。 日本のタバコが尽きてきたので インドのを買ってみた。 左が人気NO.1のGOLD FL…

  インドからの・・・

インドに来てから およそ1週間。 右手での食事。 左手でのトイレ。 寝台列車。 バス。 水シャワー。 ホットシャワー。 軽めの下痢。 と、ひととおりこなし だいぶインドになじんできた。 写真は街中にちょこちょこあるウサギの形のゴミ箱。 たぶんインドの…

  4度目の大陸

いよいよ週明け月曜日 4度目のインドに旅立ちます。 液状蚊取りも持ったし ゼリー飲料も持ったし 準備万端です。 インドに持っていく一冊は 遠藤周作の『深い河』に決定致しました。 さて今回は南インドから旅が始まります。 3度目のチェンナイIN。 マド…

  第2章 TRANSIT  

「エア・インディアはクレイジーだ。」 インド人っぽい男が 成田空港のチェックインカウンターで エア・インディアの職員に漏らしていた愚痴だ。 どうやら彼はエア・インディアの到着8時間遅れを味わったらしい。 確かに我々が乗ったエア・インディアもクレ…

  第1章 出国前夜

深夜。 重いリュックを担ぎ 駆け回る3人。 闇に浮かぶ白い布と 鉄の塊。 奴らの肌は漆黒の闇に溶け込み 向かう先に光は無く この道とエンジンを切ったタクシーの列は 果てしなく続くかのように思える。 ここはデリー。 3度目のインドは エアインディアの到…

  最終章 HELLO,GOODBYE

インド最終日。 我々は最後の晩餐として エアコンが効き 微妙なダンスミュージックが流れる こじゃれたレストランにふらっと入った。 客は我々2人だけ。 俺はバターチキンを注文。 そしてM上と二人で 真昼間から キングフィッシャー・ストロングを飲む。 …

  写真で振り返るインド 〜その1〜

チェンナイの安宿にて。 インド4大都市のひとつでありながら 1泊ひとり300円ほどで泊まれる駅前の安宿。 ダブルベッドルームのため 俺、O野峰、中JOEの3人組は エクストラベッド(追加ベッド)を注文。 出てきたのが このマットレス+シーツである…

  第29章 Shopping

列車は早朝デリーに到着した。 まだ陽が昇りきっていないにも関わらず駅前にたむろする客引きの姿と 肌を刺す北インドの冷たい朝の風が 4年前と同じ感覚を思い起こさせた。 旅が終わる。 ただ4年前と少し違っていたのは あの時の「ついに」旅が終わるとい…

    第28章 TRAIN FOR DELHI

旅の終わりが近づいてきている。 ヴァラナシを出発した列車は やわらかな闇の中 旅の終着点デリーへと向かっている。 寝台車の3段ベッドで ふと物思いにふける。 短い旅だった。 が、日々めまぐるしく起こった様々な出来事が 脳裏に浮かんでは消えていった…

  インドで最も美味いもの

インドで一番美味いもの。 それはサモーサーでもなく バターチキンでもなく フィッシュティカでもなく 灼熱の南インドで飲むペプシでもなく 肌寒い北インドの朝に飲むチャーイでもなく 隙間風吹き込む列車内で飲むインスタントのトマトスープでもなく 旅行中…