2012-01-01から1年間の記事一覧
19時15分。 ミッドナイトシヴァガンガーエクスプレス。 列車は定刻どおりにヴァラナシの駅を出発した。 終着駅はニューデリー。 ガタンガタンという列車の鼓動が 徐々に加速しだし 窓から風が入ってくる。 生ぬるい風。 季節は乾季から夏に向かっている…
「おい、ジャパニ!布を買え! チープな店に連れてってヤル。 シルーク、バンダーナー、ルンギー、コシマキー なんでもあるゾ。」 歯茎を剥き出しにしたしかめっ面のインド人に突然腕を掴まれる。 ヴァラナシの路地をぶらぶらしていると良くあることだ。 そ…
「マサッカリーマサッカリー・・・♪」 ヴァラナシの裏路地。 前方から若者2人。 ポップなメロディーを口ずさみながら歩いている。 カルカッタのバーで流れていたあの曲だ。 「マサッカリー マサマサッカリー♪」 すれ違いざまに 続きのメロディーを歌ってみ…
普段、そんなに本を読むほうでもなく 最初のころの旅行(インド1、2回目およびインドネシア1、2回目)では 海外でガイドブック以外の本を読むなんて発想すら無かった。 ただ、最近ではわざわざ旅行にまで行って 本を読むというのは 実は結構贅沢な楽しみ…
「ヘイ!ジャパニ!!ホテェル?!」 「ノーセンキュー。もう宿はとってるよ。」 「オレのほうがグッドなホテルを知ってるゾ! ドコのホテルだ?!」 「モヌーファミリー!」 それを聞くと客引きの男は怪訝そうな顔で去っていく。 世界的旅行ガイドブックの…
ヒャッハー!スマフォ買ったった! 電話が架けられないタイプのやつです。 いま流行り?のネットはスマフォ、通話はウィルコムの2台持ち。 で、ナベタクが高円寺の居酒屋で働いていて 日頃常々言っていた三岳を仕入れてくれたらしいので 飲みに行ってうかれ…
モヌー家の軒先では モヌーのオヤジが寝転がっていた。 4年前より髪の毛は禿げ上がり 身体もさらにまるまると膨らんでいる。 「ハロー、モヌーいる?」 オヤジは眠そうな目をして 寝転がったまま答える。 「モヌーはいま郵便局に行っている。 あと1時間で…
南中国、広西チワン族自治区にある観光都市、桂林。 この町では、山水画のような風景が広がる漓江という大河を下る 漓江下りが観光のメインとなるが その河下りの終点にある町が陽朔だ。 バスで行くなら約1時間半。 陽朔は小さな町だ。 歩いて回れるくらい…
なんかアーカイブからも削除されてるので 5年ぶりの再アップ!! しかも前・後編2週分の合併号!! ――――――――――――――――――――――――― Sダカネ少年とウサギのアイランド 前編 ※この物語はフィクションでありSダカネ少年は架空の人物です。 The NAF in the SweLL…
「ゴー!!」 ウェイターの威勢の良い掛け声と共に勝負開始。 悪ガキVS俺。 インドと日本。 国家の威信をかけた 腕相撲勝負だ。 「ンーーーーーッ!」 悪ガキが歯茎をむき出しにして歯を食いしばる。 なるほど。 勝負を挑んでくるだけあって そこそこ腕力…
モダンヴィジョンゲストハウス。 プージャゲストハウスを出てオムゲストハウス、ヨギニレストハウスと回り ヴィシュヌレストハウスで満室だと門前払いされ クミコハウスを外観だけ眺め 最終的に今日の宿に決めたのがここだ。 アパートのような造りのかなり古…
ほとんど宿で寝込んでいた記憶しかない。 この町でO野峰、U君、俺の順に 次々と倒れていった。 前日、バンドゥンの駅前の安食堂で飲んだアイスコーラのせいだろう。 【アイスコーラ :インドネシア、ジャワ島の灼熱の日差しに晒され 握ると火傷するほどに…
午前8時起床。 カーテンを開け バルコニーへ出る。 柔らかい日差し。 今日は良く晴れている。 眼下に流れるガンガーには 既に数隻のボートが浮かんでいる。 ボートが起こすさざ波は陽の光を受け きらきらと銀色に輝く。 まだ熱されていない朝の風は 爽やか…