第13章 アナザーエディション ― in KANYAKUMARI 6 ―


良く良く話を聞いてみると
タケは大学の後輩にあたるらしい。
本当に我々は「センパイ」だったわけだ。


「そういやセンパイらはバングラッシー飲んだことあります?」


バングラッシーとは
バング、つまりガンジャ、所謂マリファナ入りラッシーである。


「俺、ヴァラナシでみんなとバングラッシーのマハラジャ飲んだんっすよ。」


バングラッシーには
4つのランクがある。
ラッシーに混ぜるマリファナの量が多くなるにつれ
ライト、ミディアム、ストロングと
ランクが上がっていく。
マハラジャはストロングのさらに上。
大量のマリファナとほんの気持ち程度のヨーグルト。
もはやラッシーではなく
マリファナジュースにヨーグルトの隠し味だ。


「でもマハラジャ飲んでも
 全然コないんすよ。
 もうイッキで飲んだんすけど全然フツーなんすよ。」


「だから俺みんなに
 『これ、全然コないっすわ!
 これ、全然足んないっすわ! 俺、全然足んなんでビール飲んできますわ!』
 ってバーに行こうと立ち上がったんすよ。」


「そしたらいきなりぐわーーーーってきて
 脳みそが膨れ上がるんすよ!
 そのあと後頭部から脳みそが飛び出るんすよ!
 そんでそのまま伸びるんすよ!脳みそが!!
 そんでそのまま脳みそが伸びてって床にくっついて
 そっから全然覚えてないんすけど
 どうやら救急車で運ばれたらしくて
 気付いたら日本の病院だったんすよ。」


「で、俺チョー怖かったんでー
 医者の先生に相談したんすよ。
 『自分ー、ちょーしこいてー
 インドでバングラッシー飲んだんすよぉ・・・。
 先生、アレ飲んだことあります?!
 まじやばいっすよアレ!』」


・・・・・


「あと、こないだー
 サイババ見に行ったんすよ。」


「そしたらー
 隣に日本人っぽいのがいたんすよ。
 でー、安心して荷物預けたらー
 そいつ
 ネパール人だったんすよ!
 まじやばいっすよ!」


・・・・・


「あと、俺ー、長澤ま○みとタメなんすよー。」


「自分、スポーツ推薦で堀越行ってたんすけどー
 長澤、ふつーにいるんっすよ。
 まじオーラぱねーっすよ、長澤!」


「で、俺スポーツ学部だったんでー
 長澤の写真隠し撮りしようと思ったんすけどー
 それやると退学なんすよー。
 スポーツ学部のやつらはー
 長澤とかかわると退学なんすよ!
 まじハンパねぇっす!長澤!!」


・・・・・


・・・・・










つづく