インド雑記2 『ボールペンとライター』

今はどうか知らないが
インドでは
ボールペンが大人気だった。


例えば宿にチェックインするときだ。
宿帳に名前やパスポートナンバーを記入しなければならない。


宿のオヤジは宿帳を我々に渡すとき
「お前はペンを持ってるか?」
と聞いてくる。


「ああ、持ってるけど・・・。」


「それを使えばいい。」


なぜか上から目線。
そして宿帳に挟んであったペンを抜き取り
自分の胸ポケットへ。
渡されるのは宿帳だけ。


なんでわざわざリュックから自分のボールペンを出して使わにゃならんのだ?!
こっちは客だぞ?!と
文句を言うと渋々胸ポケットからペンを
貸してくれる。
なんかこっちが悪いことをしているみたいだ。


チェックアウトするときも
「ヘイ、ジャパニ!記念にペンをくれ!」


なんの記念だよ・・・。


こんな調子だから
お世話になった人などにボールペンをあげると
すごく喜ばれる。


子供にも大人気だ。
3色ボールペンなど手に入れた少年は
仲間内でにわかにヒーローだ。


ライターもしかり。


リクシャーワーラーや宿の従業員は
やたら日本のタバコをせびってくる。


で、タバコを1本渡すと
なにしてんだ?!早くライターも出せ!とばかりに
ライターも催促してくる。


やつらに『遠慮』などと言う言葉は無い。


そしてライターを貸すと
俺がやったタバコに火をつけ
一服。


で、ひとこと。


「軽いなこのタバコ。もっとうまいタバコは無いのか?!」


さらに


「なんでマイルドセブンを持ってないんだ?!おまえら日本人だろ?!」


常に自分に正直なインド人。


ただやはりライターは貴重らしく
良くくれくれと言われる。


物々交換や
料金交渉の切り札にも使えるので
かなり便利だ。


この事実を1stインドで学んだ俺は
2回目の渡印の際
100円ショップで2、30個もライターを買って
リュックに詰めていったものだった。



成田空港で全部没収されたけどね・・・。