妄想ピューロランド

『妄想ピューロランド』
椎名りんごのアルバムタイトルみたいだ・・・。


・・・今バイトしているところは
サンリオ・ピューロランドのすぐ近く。


あのメルヘンチックな建物の中で
猫やカエルが踊り
子供達が狂喜乱舞していることだろう。


職場の窓からそのピューロランドを眺めていると
ふとくだらない妄想が湧いてきた。


当然と言えば当然だが
見たところその夢の城に入っていくのは
親子連ればかり。
稀に近隣アジア諸国からツアーで来たであろう団体さんもいる。
どちらにしろ皆レジャー用の『カジュアルな』格好をしている。


そこを我々は『スーツ』で行く!


『我々』、つまり複数が良い。
ある程度年を重ねた男性(上司役)
いかにもなメガネをかけた若い青年(新入社員役)
そして俺(青年の先輩役)
の計3人程度が理想だ。


なにかをチェックするように
周りを見渡しながら
城の中をゆっくりと散策。
上司役は腕を後ろに組み
やや笑顔を浮かべ時々俺に質問をする。
俺は施設やショーの内容について
少し緊張した面持ちで上司役に報告。
新入社員役は必死にメモを取り続け
ところどころで無意味に内装の写真もとる。


上司役はふいに近くの親子連れに話しかけるのも良いだろう。
「ここには良く来られるんですか?」


その辺のアルバイトにいきなり話しかけるのもアリだ。
「君の夢はなんだい?」


腹が減ったらこれ見よがしに
新入社員役に何かを買いに行かせよう。
店の店員と目が合った直後がベストだ。
もしかしたら本社の人間かと勘違いして
サービスしてもらえるかもしれない。


最後は上司役が
出口にいる従業員に一言。
「ここの責任者はイトウ君だっけ?」


子供達の夢の城に
一時のスリルと緊張感を。



ヘタしたら捕まるかもね、これ。