【朝食を豊かに 1】 ―パラータ―


これから冬が来る。


俺の家からバイト先のオフィスまで
チャリで30分。
一山越えないといけない。


朝食をきちんと摂るというのが
今後重要となってくる。


今の俺の朝食用レシピはチャイだけだ。


うーん・・・心許ない。


この辺で昨日の晩飯の残り以外の
レシピを増やしておこうかと考えた。


さてせっかくだからチャイに合うものがいい。


パラータ・・・。


そういえばインド旅行中、
後半はこれかサモーサばかり朝食でとっていた。


サモーサは非常にうまいのだが
油で揚げなければいけないので却下。


朝バタバタするのは嫌なのだ。


そうだ夜パラータの生地を作って
朝焼けばいい。


パラータとは ――俺の認識では――
チャパティのような生地に
ギー(発酵バターを精製した純度の高いインドの溶かしバター)を織り込んで
タンドゥーリといわれる釜で焼いたものだ。


町中ではドラム缶に貼りつけて
焼いているのも見たことがある。


フライパンでも充分いけるはずだ。


見よう見真似で作ってみた。


まずは小麦粉を海水くらいのしょっぱさの
水で練り上げる。


小麦粉と食塩水はおよそ6対4。
この辺は普段うどんを打つときと一緒だ。


こねてこねてこねまくり
一応生地のようなものが完成。


さて、インドのパラータにはいろんなものが
織り込まれていた。
玉子だったりチーズだったり。
もちろん旅行者向けっぽいが
ツナ、大根だってあった。


今回はわりと向こうで食っていた
ジャガイモを織り込んだ
アールーパラータに挑戦。


ジャガイモを茹で上げ
ボールに移し
ハシで粗くつぶす。
途中まではストレス解消にもっていこい。
途中からは逆にストレスが溜まる。


うまいことつぶれてきたら
塩で味付け。
試しにクミンも加えてみる。


さてここからが良く分からない。


うーーん、とりあえず
生地に練りこんでみるか・・・。


ギーなんてものもうちにあるわけないので
代わりにバターを
そしてつぶしたジャガイモを
生地に練りこむ。


これが失敗。
見る見るうちにぐちゃぐちゃの
ゲル状の生地になってしまった。


うむ・・・やばい。
麺棒で延ばそうとしても
ねちゃねちゃくっついてしまって
生地がぐずぐずになってしまう。


仕方がないので
そのまま油をひいたフライパンに
そのゲル状の小麦粉群をぶち込む。


そしておたまの腹の部分で
無理やり薄く延ばしながら
焼き上げる。


・・・完成。


食ってみた。


うん、まずいね。
こんなものパラータじゃないね。


よく調べてみると本当はアタ(?)という小麦の全粒粉を使うのだそうだ。
全粒粉ってなんだ?
近所のスーパーFUJIには売ってないぞ。
どうやら薄力粉を使ったのが失敗のようだ。
まぁそれ以外にも調理行程でいろいろ失敗があったようだが。


普通にうどん打っとけばよかった・・・。


現在の朝食レシピ

チャイ 

以上。




   続く