第14章 IN BANGALORE


インドで初めての列車移動に少々びびっていた我々は
一番高い列車でバンガロールへ向かった。
距離が近かった為驚くほど高いというほどではなかったが
それでも970ルピーほどした(当時1ルピー≒3円だったと思う)。
我々のおよそ3日分の生活費だ。


車内はこれでもかというほどクーラーがきいている。
正直寒い。
車内でまずい車内食を食い(イドゥリという米かなんかで作った蒸しパンが特に俺はダメだった)
2、3時間もすると列車はバンガロールに到着した。


我々は適当な安宿にチェックインし
少し休んだ後町へ繰り出した。


バンガロールはインド1のIT都市という事で市街地まで出ることにした。
リクシャーを捕まえ料金交渉をする。
5分ほど交渉して市街地まで40ルピーというところで落ち着いた。


リクシャーが走り出す。
道路や町並みもチェンナイに比べて気持ちきれいな気がした。
途中にクリケットスタジアムもあり
リクシャワーラ−が親しげにクリケットの話等振ってきた。
そうこうしてるうちに目的地に到着。


するとリクシャワーラ−の顔つきが変わる。


「50ルピー!!」


はっ?


彼の言い分としてはこの距離で40ルピーはやっぱり安すぎる。
メーターも50ルピーまで上がっているということだった。


話にならないと思った我々は40ルピーだけ払ってさっさとリクシャーを降りた。
最初は何か叫んでいたがそのうちあきらめたのか
リクシャーはそのままUターンして帰っていった。


市街地は微妙に都会っぽく
我々は博物館らしきところや水族館らしきところを回り、
宿に戻った。
いまいち刺激が足りない。


宿の近くのレストランで食事を取ったときに
お釣りがないといわれ
代わりにアメを渡されたときが唯一刺激的だったくらいだ。


そしてだらだらして寝た。




中途半端に近代化が進んでるせいだろうか。
バンガロールでの滞在はごく平凡なものになるはずだった。




あの男に出会うまでは・・・。





     つづく