列島、南の果てへ ― その2 ―


2日目。
朝。


携帯のアラームとバイブ機能による机の振動の
けたたましい音で目を覚ます。


6時だ。
屋久島行きの高速船『トッピー』が
朝7時40分に鹿児島を出発してしまう。
急いで準備をしないと・・・。
しかし、観光、もとい強化合宿で
遠く鹿児島に来てまで早起きとは
・・・過酷過ぎる。


朝7時にホテルユニオンをタクシーで出発。
途中でYSOを拾い
4人で港に向かう。


港に臨む桜島もまた絶景。



トッピー乗り場は団体観光客や韓国(?)からの修学旅行生(?)で賑わっていた。
売店ではみやげ物やサンドウィッチなどが売られていたが
ジュース1本のみを購入。
腹を空かせておいて
屋久島で海産物山盛りの屋久島丼を食うのだ。
(そんな丼があるかは知らないが)


寝ぼけ眼でトッピーに乗り込み
そこから2時間ちょっと爆睡。
なんて快適な船だ。



高校野球の実況で目を覚ましたころには
トッピーは屋久島に到着。



さて、何も準備していない。
レンタカーで自由に動き回りたいが
レンタカーの予約をしていない。
レンタカーの予約をちゃんとしている賢い人達は
港の前で次々とレンタカー会社の送迎バスに乗り込んでいく。
旅の時はいつも「なんとかなる」で雑な計画を立ててしまう。
なんて学習能力の無さだ。


「おい、白谷雲水峡行きのバスがあるぞ!!」


YSOがバス乗り場を発見。
我々が行きたかった白谷雲水峡の入り口まで行くらしい。


「どうする?2時間に1本。」


「帰りはあるんかな。なんせ4時までにここに戻ってきてないとまずいぜ。」


帰りのフェリーチケットはとってある。
まさかの屋久島日帰り計画である。


「でもあと10分でバス出るぜ。コレ逃がすと2時間後・・・。」


「とりあえず乗るか?」


「とりあえず乗ってみようぜ。」


我ながらなんて計画性の無さだ。


男4人
バスの最後部座席に乗り込む。


「念のため近くにレンタカー屋が無いか調べてみねぇ?」


携帯で検索。


・・・・・


「あったあった!多分結構近い!!」


「マジで!!電話してみて!!」


・・・・・


「・・・あ、はーい。お願いしまーす。
 ・・・取れたよ。レンタカー。」


「・・・よし、降りるぞバス!!」


出発1分前にバスを緊急降車し
レンタカー屋へ徒歩で向かう。


「・・・で、この道まっすぐ行って・・・」


「あれ?あそこに停まってるのトヨタレンタカーの送迎車じゃね?」


ドア越しに運転席のお姉さんに声をかける。
「すいませーん。さっきレンタカーの予約したんですけど乗ってっていいですか?」


「はっ?!すいませんちょっと確認してみます。お待ちください。」


「車の中で待ってていいですか?」


「えっ?!・・・はいどうぞ。」


その後、無事店舗への確認が取れ
送迎車でレンタカー屋へ。



[レンタカー屋の前でたむろする俺以外のガラの悪い3人
 右からH賀氏、レンタカー屋のおっちゃん、Iマイ、YSO
 プライバシー保護の為遠目からの写真になっております
 H賀氏に至ってはプライバシー保護の為
 顔が柱の陰に隠れております]


なんてラッキーだ。
レンタカーがすんなり予約でき
しかも送迎つき。


レンタカーを借りた我々は
まず朝飯をと
レンタカー屋のおじさんに聞いた
おすすめの飯屋へ。


が、
「11時からだって・・・」


「どうする?」


「時間ねぇし進もうぜ。向こうにもなんかあるでしょ。」


Iマイの運転で山を登る。
山から港を見ると普通の町並みであった。



屋久島といえばもっとなにもない
密林のようなところを想像していたが。


15分ほどで白谷雲水峡の入り口に到着。


が、どうにも飯を食うところはおろか
売店すら見当たらない。


森の入り口の小屋のおじさんに聞いてみる。
「あのーこの辺で飯食うとこないですか?」


「いやー無いねぇ。山だからねぇ。」


「じゃ飲み物とか買えるところは・・・?」


「いやー無いねぇ。なんせ山だからねぇ。ははは。」


・・・なんてアンラッキーだ。
屋久島丼は・・・??



飯も食わず
水も持たず
森に・・・突入!!






つづく