第17章 IN GOA


全然落ち着かなかった小休止を経て
再びバスは走り出した。


とりあえずなんか栄養摂っといたほうが良いだろう・・・。
そう思った我々は、先ほど購入した謎の小袋を開封した。
ほこりをかぶった小袋の中にはスナック菓子が入っている。
袋には何も書かれていないしいかにも手作り系のスナックだ。
M上のスナックはカレー味、
俺のはただなんとなく砂糖をふりかけれるだけふりかけてみました的なスナックが入っている。
一口食った瞬間に、すごく嫌な予感がしたので少しだけ食って捨ててしまった。


恐ろしく隙間風が入ってくる上、異常に揺れるバスの中では
ほとんど睡眠をとることが出来ず、そうこうしてるうちに夜が明け、
バスはインド屈指のリゾート地、ゴアに到着した。
ビスケットオヤジともここでお別れだ。
一緒に写真を撮らせてくれというとビスケットオヤジは照れくさそうに初めて笑顔を見せた。
いざ写真を撮るときはいつもの顔に戻っていたが。


「俺の家はこの近くなんだ。なんかあったら電話しろ。」
そう言ってビスケットオヤジは電話番号を書いたメモをくれた。


後で気づいたのだが市外局番が抜けている・・・。
・・・これゴアからしか架けられないじゃぁぁん・・・。



ビスケットオヤジと別れた後、我々はリクシャーを捕まえ適当な宿まで連れて行ってもらいチェックインした。


12時間にも渡る長旅のせいもあり腹が減ってきた。
我々は荷物を宿に置き朝食を取りに出かける。
宿の近くのロータリーのようなところに行くと胡散臭い屋台が出ていた。
どうやらドーサーを売っているようだ。
このドーサーという食べ物、クレープのようなものをスパイス等で味付けし、なんかよくわからんぐちゃぐちゃした付け合わせが添えられた食べ物なのだが、
おれはどうもこのドーサーが苦手だった(M上にとっては好物)。
とりあえずなんか食っとこうということで立ち食いしたが
まぁはっきりいってこの屋台のドーサーもまずかった。



ドーサーを全部たいらげ皿を戻すと、屋台のオヤジは後ろにいた少年にその皿を渡す。
ああ、少年は皿を洗う役なのね・・・。
少年の動きをしばらく追ってみた。
少年の前には水が入った大きなバケツが3つ。
少年はまず一番左のバケツに皿をつける。
皿をひとなですると真ん中のバケツに。
一往復だけ水をくぐらせて最後に右のバケツ。
これも一回水をくぐらせるだけ。
そしてオヤジに皿を戻す・・・っと。


・・・・・


・・・え??終わり??!
わずか5秒。



速い!!!
圧倒的なスピードだ!!
汚れは落ちないがそんなもの上にドーサーを乗っけちまえばバレやしねぇ!!


しかもコスト削減のためバケツの水は一度も変えず。


すばらしいプロ根性だ!!!





げんなりした・・・。






     つづく