chapter4 ホテル事情2


1回目のインドネシア旅行で一番長く滞在したのは
ソロという小都市にあるWesterners Homestayという安宿だった。
長く滞在した理由はアイスコーラによるメンバー総倒れ。


相変わらずの共同シャワー、共同トイレだったが
雨季でシーズンオフだということで宿泊代を3分の1ほどまけてもらえた事と
断食期間中のため昼間水も飲めず自分の喉を指差し「ホット!」を連発する陽気な従業員、
そして穏やかでやさしそうなオーナー、
なによりジャワティー飲み放題というのが宿泊の決め手だった。


日本でも一昔前大いに流行ったジャワティーだが
あ、ジャワ島で飲まれてるお茶だからジャワティーなんだー。
といまさら気付いた俺。


インドネシアの気候にあの風味はぴったりで
結構な頻度で飲んでいた。


その日もジャワティーを補給しに
暗いロビーに集まる俺とO野峰とU君。


いつものように
部活等で見かけたサーバー型ポット(ジャグ)のプッシュ詮を押して
水筒代わりの空のペットボトルにジャワティーを注ぐ俺。
これで外で水を買わなくても済む。


「よし、じゃ次俺〜。」


続いてO野峰が自分のペットボトルにジャワティーを注ごうと
プッシュ詮を押す。


ポンッ!


・・・・・


「・・・あれ?なんか飛んだぞ?!」


振り返るとそこにはバネとプッシュ詮。


「これ、やばいよな・・・?」


「うん、やばいね・・・。」


プッシュ詮が外れたため
止め処なく溢れ出すジャワティー。


O野峰のペットボトルはすぐに満タンになってしまったので
続いてU君のペットボトルで受け止める。


しかし、すぐにU君のペットボトルも限界寸前。


「やべぇ!もういっぱいになるぜ!」


「しかもこいつ(ジャワティー)まだまだやる気まんまんだ!」


まだまだとどまることを知らないジャワティー。


このままではこぼれ出してしまう!!


「くそ〜・・・。」


・・・


「飲め飲めーーーーーい!!!」


ふいにペットボトルに溜まったジャワティーを一気飲みしだすO野峰。


我々もそれに続く。


そしてペットボトルの中身が空いたところで
また溢れ出すジャワティーを受け止める。


ひとりが受け止めてる間に
他の2人が飲み干す。


飲み干しては
また注ぎ足すの繰り返し。


「げふぅ。」


「もう無理だ・・・ジャワティーばかりはつらい・・・。」


「やべーー!!こぼれたーーー!!」


「タオルだ!!部屋からタオルもってこーーい!!」


・・・結局、全てを受け止めることは出来ず
ロビーがジャワティーびたしになる大惨事。



そういえばソロでの夜
我々の間では
劇場版予告CMネタが流行っていた。


――――
全米が恐怖のどん底に叩き落された!!


文明の機器が突如牙を向く!!
はじけ飛ぶプッシュ詮!!
飛び散るバネ!!
止め処なく溢れ出す液体!!!


君はこの戦慄に耐えられるか・・・?!!


全米初登場16位。


ジャーーーーー


ワーーーーーーー


ティーーーーーーー・・・



COMING SOON!!!! ――――