Sダカネ少年と開かずの扉
※この物語はフィクションでありSダカネ少年は架空の人物です。
The NAF in the SweLLのVocal&Guitar 定兼 良輔 氏とは一切関係ありません。
Sダカネ少年は少年時代を祖父母の家で過ごした。
祖父母の家は海沿いにある2階建ての小さな旅館である。
その日、幼馴染のP少年がSダカネ少年の家に遊びに来ていた。
P少年の祖父母の家は
Sダカネ少年の旅館から道路を挟んで向かい側にある小さな商店。
P少年は親が共働きだったため
これまた祖父母の家で過ごすことが多く
Sダカネ少年の家にはよく遊びに来ていた。
いつものように
旅館の大浴場で水遊びをしまくったり(迷惑)
客室や厨房を探検して遊んでいると(営業妨害)
Sダカネ少年がふと思い出したように言った。
「どーでもええんじゃけど、そういえばうち開かずの扉があるんよねぇ。」
まさかいきなり『開かずの扉』などというたいそうな言葉が出てくるとは思っていなかったP少年はいささか驚いた様子だ。
「いや、それどーでもよくないじゃろ!?ほんまに?」
「ほんまよー。2階にあるで。」
「ほんまかい!ちょっと見せてや。」
「ええよー。ほいじゃ見に行こうか。」
そして少年2人は暗い階段を上って2階へ。
客室を1つ2つと抜けていくと
突き当たりに木の扉があった。
「これよーー!!」
その扉は古く汚れていて
テープかなにかで大きく×印がつけられている。
なにか文字が書かれているようだが
くすんでいて読むことが出来ない。
なるほど確かに禍々しい雰囲気だ。
「この扉、もう何十年も開けられてないらしいでー。」
Sダカネ少年は一言そうつぶやくと
扉の脇にある暗い通路へと消えていった。
P少年が一呼吸置いてSダカネ少年の後を追っていくと
行き止まりになっていた暗い通路の奥にSダカネ少年が立っていた。
そこにはもうひとつ扉が。
どうやら開かずの間にはもうひとつ扉があるようだ。
「こっち側の扉は開くんじゃけどねぇ。」
「普通に開くんかい!!?」
おもむろにもうひとつの扉を開けるSダカネ少年。
中を覗き込むP少年。
「しかもただの物置かいっ!!!」
Sダカネ少年と開かずの扉 〜完〜