Sダカネ少年と2月の町


※この物語はフィクションでありSダカネ少年は架空の人物です。

 The NAF in the SweLLのVocal&Guitar 定兼 良輔 氏とは一切関係ありません。


当時、Sダカネ少年は強くバイクにあこがれていた。


中型免許は持っていなかったが
知り合いの中古ショップで250ccのバイクを購入。


その日、Sダカネ少年の家に中古バイクが届いた。
しかし座席シート部分は在庫が無く
後日届けられることになった。


座席シートが無いバイクだったが
シートが届くまで待てるSダカネ少年ではなかった。

エンジンをかけ
試しにガソリンタンクの上に腰を下ろしてみる。


「うーん、ちょっと熱いのぅ・・・。
 ・・・じゃけど走るんじゃったらこれぐらいでちょうどええかもしれんのぅ。」


案の定Sダカネ少年は我慢できるはずも無く
仲間に声をかけ夜の町に繰り出した。


全裸で。


「このバイクは初乗りじゃけんのぅ。
 裸じゃないとバイクに失礼じゃろう!!」


2月の夜の出来事である。


真冬に全裸で国道185号線を爆走するSダカネ少年。


もちろん道行く人々もすれ違う車の中の人々も
Sダカネ少年に大注目だ。


「ちょっとスピード出し過ぎかのぅ?!
 みんなこっちを見ようるわ!!!」


当たり前だ。


冬の夜、全裸で隣町まで行ってきたSダカネ少年は
最後に地元の公民館の平和記念像の前で記念撮影。


全裸で。


「今日はええ思い出になったのぅ!!」


一通り満足した頃にはもう夜も更けていた。


さてそろそろ家に帰ろうと思っていた矢先
Sダカネ少年を呼ぶ仲間の声が。

「おーい!!こっち来てみぃや!!
 水溜りが凍っとるでーーー!!」


喰い付くSダカネ少年。

「どれどれ見せてみぃや。
 うぉ、ほんまじゃ!!凍っとるでーー!!」


ふと興味が湧いた少年達。


「氷ってほんまに滑るんかのぅ・・・。」


「そりゃ滑るじゃろう!!」


「いや、でも実際やってみんとわからんでーー!!」


「おっしゃ、ほいじゃほんまに滑るか試してみようで!!」


ここでSダカネ少年から貴重なアドバイス

「おい、服着とると滑るとき危ないでーーー!!
 みんなも服脱げやーーー!!」

 
裸のほうが全然危ない。


こうして全裸になった少年達は
次々に凍った水溜りにダイヴ。


腹這い、仰向け、体育座りと
様々な格好で氷上を滑りまわる少年達。


「すげぇ!!氷ってほんまにすべるんじゃのぅーーー!!
 大発見じゃーーーーーーー!!!!」


・・・・・


Sダカネ少年は寒さに強い。






――Sダカネ少年と2月の町 【完】――